作業療法士学生の皆さんへ

ADL評価について@

ここでは、私の担当した学生のほとんどが思い悩むADLの評価について書かせていただきます。
教科書的な内容に沿って説明したいとは思いますが、私個人の概念も多く含まれてしまっていると思いますので、参考程度にしてもらえれば幸いです。

ADL評価とは?
さて、最初に皆さんに質問です。

「ADL評価とは何でしょうか??」

今、皆さんはBarthel indexやFIMを思い浮かべたのではないでしょうか。
それは不正解ではありませんが、100点満点で5点程です。

では、残りの95点は?というと・・・・・

正解は「観察」です。

B.I.やFIMはADLを得点化することには非常に優れている評価法ですが、得点化するために多種多様を極める人間のADLを簡略化し過ぎてしまっているように思います。

Barthel indexでは3〜4段階、FIMにしても7段階の点数でしか表すことはできません。
これらの評価法はADLの自立度を概ね測るためのものとしては非常に効果的ですが、作業療法士としてのADL評価はさらに詳細にADLを観察し、一人一人の患者様毎に各動作の工程・動作分析をする必要があると思います。
(例えば、立ち上がり時の両手の位置であったり、歩行時の足の動きであったり、レジでお金を支払う場合の両手の使い方であったり・・・・・挙げればきりがありませんね。)

私は学生に教えるとき、ADL動作全てを各々時系列に沿ってケースノートに書くように指導しており、そのたくさんの文字で綴られた文章をレポートでまとめてもらう様にしています。

おかげで何度も評価を書き直すこともあり、学生には辛い思いをさせているなぁ・・・と感じることもありますが、実際にそこまで全てのADLについて表記することは学生じゃないとできないことだと考え頑張ってもらっています。(実は読むほうもかなり大変ですが・・・・)

ともかく、ここまで書かせるかどうかはバイザーによりますが、「観察が重要だ」ということは、多分、ほとんどのバイザーが賛同してくれると思います。

皆さんもしっかり「観察」しADL毎の工程・動作分析ができるように、まずは学生同士でお互いのADLを観察し、工程・動作分析してみましょう。
初めはとても難しいと思いますが、できるように頑張って下さい。
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