作業療法士学生の皆さんへ

学外実習について

さて、ここではほとんどの学生の皆さんが恐怖におののく「学外実習」について、私なりに考えを書かせていただきます。

皆さんは何故、総時間約半年に及ぶ「学外実習」に行かなければいけないかを考えたことはありますか?
実習前の学生の皆さんならもうご存知だと思いますが、それは「卒業するための単位として必要だから」です。
これを読んだ方の中には、「なんだそんなことは知ってるよ」と思った方がたくさんいると思います。
ですが、私はもう一つ重要な要素を含んでいると考えています。

もう一つの要素、それは「実習でしか学べないことを学ぶ場」です。

私も実習生を何人も持ち指導させていただきました。ですが、実際に学校で習ったことが即100%発揮できた学生は1人でした。
その学生は社会人経験もあり、学内での勉強以外にも自主勉強といえるものをとんでもない時間こなしてきた学生でした。(恥ずかしい話しながら、知識量は現役のわたしの3倍程・・・)
その学生ですら、開始一週間目に担当患者様の転倒という大失態をやらかしてしまったのです。(幸い患者様に怪我は無く、今となってはその患者様と一緒に笑って話せる話となりましたが・・・)

えーっと・・話がややそれてしまった感がありますが、つまりは、「あなたは患者様の転倒を止めることができますか?」ということです。
もちろん、止めるための知識はあるでしょう。歩容に注意する・座面の高さに注意する・車椅子のブレーキに注意する等‥挙げればきりが無いでしょう。
ですが、ここで断言します。
いくら注意しても、こける時はこけます。
では、どんな時にこけるのか?
それを実習で学んでください。
誤解の無いように言いますが、実習中でももちろん、転倒は厳禁です。
正確にはバイザーという心強い先輩の加護の下、「実際にこけそうになるのはどんな時か?」を体験できる場面として学んでいただきたいということです。
「あなたは患者様の転倒を止めることができますか?」とは言いましたが、転倒のみに関してではなく、評価・治療・患者様との会話等‥実際に関わり、また先輩作業療法士の助言を得、知識を動作に統合する場面として活かしていただければと思います。

長くなってしまいました。
結局何が言いたいのかというと、学ぶ姿勢をもって実習に望み、たくさんのことを学んで下さいということです。
そして、それぞれバイザーを凌ぐ作業療法士になって下さい。

以上、「学外実習」そのものに対するO君の思いでした。
inserted by FC2 system